カワイイファッションの歴史と文化|ストリートウェアへの影響

Kawaii Fashion: History, Culture, and How It Shaped Streetwear

「かわいい」の意味を誰かに聞けば、「cute」という答えが返ってくるでしょう。それは辞書どおりの答えですが、本当におもしろい部分はほとんど抜け落ちています。カワイイは約40年の歴史を持つ日本発の美意識で、独自の歩みとルールがあり、今ではどの街角でも見かけるストリートウェアにまで意外なほど大きな影響を与えています。

カワイイの本当の意味とは?

この言葉は、「かわゆし」という古い言葉に由来します。愛らしくて、どこか頼りない、小さくて、柔らかくて、丸くて、子どもっぽいものを表す言葉でした。現代のカワイイもその核を受け継いでいます。華やかさでもセクシーさでもなく、思わず守ってあげたくなるものの魅力です。パステルカラー、丸みのある形、大きな目、小さな動物、口のないキャラクターといったビジュアルが主流なのはそのためです。

カワイイはどこから始まったのか

よく語られる起源は、1970年代の女子高生と新しい文字の書き方にあります。シャープペンシルを使って、ハートや星で飾った丸くてぷっくりした文字を書くようになり、これは「丸文字」と呼ばれました。読みにくいという理由で禁止した学校もあったほどです。文具メーカーはこれに目をつけ、そのスタイルを商品にして売り出しました。

そんなメーカーの一つがサンリオで、1974年にハローキティを発表しました。最初は小さながま口の財布からのスタートでした。口のない白い猫に赤いリボンというデザインは、世界で最も知られたキャラクターの一つとなり、カワイイ商品展開の原型にもなりました。シンプルな形、やさしい色合い、どんなコラボにも対応できる柔軟さが特徴です。50年たった今も、彼女は限定ストリートウェアにプリントされ続けています。

カワイイがファッションムーブメントになるまで

1990年代には、カワイイは筆箱からコーディネート全体へと広がり、その中心地は原宿、なかでも竹下通りでした。写真家の青木正一が1997年から雑誌『FRUiTS』でこのシーンを記録し、その写真は世界中に広まりました。パニエでふくらませたロリータのドレス、プラスチックのヘアクリップを何十個も重ねたデコラ、パステルカラーのフェアリー系、そして大人のオフィスワーカーのような服装を拒む姿勢が詰まっていました。

その拒否こそがポイントです。外から見ると、カワイイファッションは子どもっぽいと受け取られがちですが、日本国内では昔から、制服や同調圧力、そして大人になることは地味な服を着ることだという考え方に対する、静かな反抗でもありました。大人があえてかわいい服を着ること自体が、ひとつの主張なのです。

ストリートウェアに受け継がれたカワイイのDNA

ストリートウェアとカワイイは、原宿の数ブロックしか離れていない同じ通りで育ち、以来ずっとアイデアを交換し合ってきました。その交差点は、次のような場面に見て取れます。

  • キャラクターとのコラボ。サンリオ、ポケモン、アニメとのコラボが、パーカー、Tシャツ、スニーカーに登場します。かわいいキャラクターを重厚なストリート系シルエットにのせるのは、二つの世界がもっとも分かりやすく出会う形です。
  • パステルカラーの展開。カーゴパンツ、中綿ジャケット、ボリュームのあるスニーカーなど、本来はタフなアイテムを、ベビーブルー、ライラック、ピンクで展開します。
  • 遊び心のあるバランス。何もかもオーバーサイズにして、バッグは小さく、靴は大きく。カワイイは魅力のためにスケール感を誇張し、ストリートウェアは個性のためにそうします。結果として、できあがるシルエットはよく似ています。
  • マスコットのグラフィック。かわいいけれどエッジの効いた、ブランド独自のキャラクターをつくる動きです。サンリオの手法を直接受け継いでいます。

コスプレにならずにカワイイ要素を取り入れるには

  1. かわいい要素を一つ、強めの要素を一つ。ダメージ加工のデニムジャケットの下にキャラクターTシャツを。ブラックのカーゴパンツにパステルカラーのパーカーを合わせます。
  2. シルエットはストリート系のままにする。ゆったりしたバギージーンズに、ボックス型のトップスを。かわいさはフリルではなく、色とグラフィックで出します。
  3. 小物で引き立てる。バッグにつけたキャラクターのキーホルダー、プリント入りの靴下、やさしい色のニット帽。小さく、さりげなく、気軽に外せるものがおすすめです。
  4. 全身パステルは避ける。本格的なフェアリー系を目指す場合は別です。やさしい色を2色とブラックかデニムを合わせると今っぽく、5色にするとテーマパークのような印象になります。

カワイイが今も大切な理由

カワイイが生き残ってきたのは、トレンドではなく考え方だからです。小さなことに喜びを見つけて、それをあえて身につけること。ストリートウェアを単なる服のカテゴリーではなくカルチャーにしたのも、同じ精神です。この二つの交わりを深く知りたい方は、まずハローキティ限定エディションのアイテムから、あるいは原宿のもう半分の物語として日本のストリートウェアガイドをご覧ください。

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